振替加算

昭和60年の法改正(昭和61年4月施行)により1人1年金が確立され、厚生年金、共済年金等(被用者年金)の被保険者の配偶者も被保険者とすることが決まり、サラリーマンの妻にも老齢基礎年金を支給するようになりました。同時に、それまで夫に支給されていた老齢厚生年金等の加入年金額は打ち切られることとなりました。

ところが、サラリーマンの妻は法改正以前は任意加入となっていたため、加入していなかったり、加入期間が極端に短いなどの理由から、老齢基礎年金額がとても低いものとなってしまう人が大勢いました。そうした状況から、大正15年4月2日から昭和41年4月1日まで生まれの妻には、その生年月日に応じて老齢基礎年金に加算する制度が設けられました。それが振替加算という制度です。

振替加算はサラリーマンの妻のためにできた制度であると紹介しましたが、例えば、夫が自営業で妻が会社員という逆のパターンでも該当します。ここでは、説明をわかりやすくするために、夫が厚生年金被保険者、妻が被扶養配偶者として解説しています。(なお、厚生年金の加給年金額は老齢厚生年金の項目をご覧ください。)

振替加算の額

振替加算の額は、224,000円(平成25年度額)に妻の生年月日に応じた率で支給されます。

生年月日生年月日
T15年4月2日~S2年4月1日1.000S19年4月2日~S20年4月1日0.520
S2年4月2日~S3年4月1日0.973S20年4月2日~S21年4月1日0.493
S3年4月2日~S4年4月1日0.947S21年4月2日~S22年4月1日0.467
S4年4月2日~S5年4月1日0.920S22年4月2日~S23年4月1日0.440
S5年4月2日~S6年4月1日0.893S23年4月2日~S24年4月1日0.413
S6年4月2日~S7年4月1日0.867S24年4月2日~S25年4月1日0.387
S7年4月2日~S8年4月1日0.840S25年4月2日~S26年4月1日0.360
S8年4月2日~S9年4月1日0.813S26年4月2日~S27年4月1日0.333
S9年4月2日~S10年4月1日0.787S27年4月2日~S28年4月1日0.307
S10年4月2日~S11年4月1日0.760S28年4月2日~S29年4月1日0.280
S11年4月2日~S12年4月1日0.733S29年4月2日~S30年4月1日0.253
S12年4月2日~S13年4月1日0.707S30年4月2日~S31年4月1日0.227
S13年4月2日~S14年4月1日0.680S31年4月2日~S32年4月1日0.200
S14年4月2日~S15年4月1日0.653S32年4月2日~S33年4月1日0.173
S15年4月2日~S16年4月1日0.627S33年4月2日~S34年4月1日0.147
S16年4月2日~S17年4月1日0.600S34年4月2日~S35年4月1日0.120
S17年4月2日~S18年4月1日0.573S35年4月2日~S36年4月1日0.093
S18年4月2日~S19年4月1日0.547S36年4月2日~S41年4月1日0.067

振替加算を行わない場合または支給を停止する場合

老齢基礎年金を受給する妻が、被用者年金の被保険者期間、組合員または加入者期間の月数が240月(20年)以上の老齢厚生年金、退職共済年金を受けることができるときは、振替加算は行われません。

また、厚生年金の離婚分割によって、妻の厚生年金被保険者月数が240月以上になる場合も振替加算は行われません。(詳しくは厚生年金の離婚分割をご覧ください。)

支給を停止される場合とは、妻が障害基礎年金、障害厚生年金、障害共済年金等を受給できるときです。ただし、支給停止というのは、その事情がやんだとき(この場合は障害が軽減し、障害等級に該当しなくなったとき)は支給が再開されます。

任意加入できる期間に加入していなかった場合、合算対象期間とされて受給資格期間には算入されます。また、学生納付特例、30歳未満納付特例も受給資格期間に算入されます。受給資格期間には算入されますが、年金額の計算には算入されません。そうすると、これらの期間だけの人はどうなるのでしょうか?答えは、振替加算相当額のみの老齢基礎年金が支給されるのです。

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