受給資格

老齢基礎年金は、原則として、保険料納付済期間または保険料免除期間が25年以上ある人に、65歳から支給する年金です。

法律には必ずと言っていいほど「原則」と「例外」があります。老齢基礎年金の受給資格、受給年齢にも例外がありますので、ご自分の生年月日を意識しながら原則通りなのか例外に当てはまるかをご確認してください。

なお、このサイトは大正15年4月2日以後に生まれた人を対象としています。現在の国民年金法は昭和61年4月1日以後に60歳となる人を対象としており、それより前に生まれた人には旧国民年金法が適用されるからです。あしからずご了承ください。

法律上の年齢は満年齢を用います。また、誕生日から翌年の誕生日の前日までを満1年としますから、1月1日生まれの64歳は12月31日に65歳となります。1日違いで法律が適用されたり、逆に適用されなかったりする場合がありますので、ご注意ください。

老齢基礎年金を受給するためには

老齢基礎年金を受給できる条件として、保険料納付済期間または保険料免除期間が25年以上必要と書きましたが、その免除期間には「学生納付特例」と「30歳未満納付特例」は含まれません。これは例えば、学生納付特例だけで25年あっても、受給権は発生しないという意味で、少しでも保険料納付済期間があれば学生納付特例の期間は25年という数字に算入されます。

また、現行の国民年金法では20歳以上60歳未満は強制加入となっていますが、旧国民年金法では任意加入でした。制度の仕組みによって国民年金に加入できなかった期間について、不利益が生じないようにこういった期間(合算対象期間といいます。)も年金受給資格期間に算入できる特例が設けられています。

受給資格期間=保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間≧25年

例を3つあげて説明します。まず、例1は20歳~60歳未満の間に納付済期間が15年+13年=28年で、老齢基礎年金の受給資格はありますが、年金額を増やしたいために60歳~65歳未満の5年間、任意加入できます。そうすると、保険料納付済期間が33年となり、老齢基礎年金が増額されます。

例2のケースは、20歳~60歳未満の間の保険料納付済期間は15年+7年=22年で、受給に必要な期間が足りません。そこで65歳まで任意加入すると27年となるので、老齢基礎年金を受給できる資格が得られます。(実際には任意加入3年間で受給資格は得られます。)

最後の例3のケースは、20歳~60歳未満の間の保険料納付済期間は15年で任意加入の5年間を足しても25年に届かない場合、特例でさらに5年間の加入が認められます。しかし、その特例任意加入期間の途中で保険料納付済期間が25年になれば強制的に被保険者の資格を失います。

保険料納付済期間とは次の期間を指します

  1. 第1号被保険者として保険料を全額納付した期間
  2. 第2号被保険者としての被保険者期間のうち20歳以上60歳未満の期間
  3. 第3号被保険者としての被保険者期間
  4. 昭和61年3月31日以前の被保険者期間のうち保険料を納付した期間
  5. 昭和36年4月1日から昭和61年3月31日までの厚生年金の被保険者期間、共済組合の組合員期間、私学教職員共済の加入者期間のうち20歳以上60歳未満の期間

上記2のケースで18歳から会社に入り、62歳まで働いた場合でも国民年金としての保険料納付済期間は20歳以上60歳未満の期間になります。これは、老齢基礎年金の年金額上限が保険料納付済期間を40年と設定しているため、それを超える納付済期間がないからです。20歳未満と60歳以上で納めた保険料は厚生年金や共済年金では反映されます。

保険料免除期間とは次の期間を指します

  1. 昭和61年4月1日以後の第1号被保険者としての被保険者期間のうち、保険料全額免除期間、4分の1免除期間、半額免除期間、4分の3免除期間を合算した期間
  2. 昭和61年3月31日以前の被保険者期間のうち、保険料を納付することを要しないとされた期間

合算対象期間とは次の期間を指します

非常に細かく設定されていますので代表的なものをあげてみます。

合算対象期間

  • 上図Aは第2号被保険者期間のうち、60歳以上と20歳未満の期間は合算対象期間となり、受給資格を算定するための25年に含まれますが、年金額を計算する期間とはなりません。
  • 例A上:定年を延長して63歳まで会社勤めした人の、60歳から63歳未満までの期間
  • 例A下:18歳で入社して働き始めた人の18歳から20歳未満の期間
  • 上図Bは旧国民年金に任意加入することができた人が、任意加入しなかった20歳以上60歳未満の期間
  • 上図Cは日本国内に住所を有さず、かつ日本国籍を有していた期間(20歳以上60歳未満に限る)
  • 上図Dは学生であった期間のうち、任意加入することができた人が任意加入しなかった20歳以上60歳未満の期間
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