遺族基礎年金の支給要件
遺族基礎年金は、死亡した被保険者または被保険者であった人の配偶者または子に支給される年金です。死亡した被保険者または被保険者であった人、配偶者または子それぞれに満たすべき要件があります。
老齢基礎年金や障害基礎年金は加算額を除き、被保険者または被保険者であった人本人だけで受給資格が問われましたが、遺族基礎年金は年金を受け取る遺族にも受給資格が問われる点が、老齢基礎年金や障害基礎年金と違うところです。
亡くなった人の要件
亡くなった人が次のいずれかに該当していることが必要です。
- 被保険者
- 被保険者であった人で、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満の人(昭和61年4月1日前に厚生年金保険・船員保険の被保険者または共済組合の組合員であった人も含む)
- 老齢基礎年金の受給権者
- 老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている人(=保険料納付済期間または免除期間を25年以上有し、65歳未満である人)
被保険者または被保険者であった人は、保険料納付要件を満たしていることが必要です。
死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに被保険者期間がある場合、保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が、被保険者期間の3分の2以上必要です。右図の例では、納付済期間+免除期間=21年、被保険者期間=30年の場合、被保険者期間の3分の2=20年以上ですから保険料納付要件は満たしています。
この保険料納付要件には障害基礎年金と同様に経過措置があって、平成38年4月1日より前(=平成38年3月31日まで)に初診日がある人は、初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの1年間に保険料の未納期間がなければ、要件を満たしたとされます。ただし、初診日において、65歳以上の人には適用されないので注意してください。
遺族の支給要件
被保険者または被保険者だった人の「配偶者」または「子」で、死亡当時その人に生計維持されていて、かつ、次の要件に該当する必要があります。
- 子の要件
- 1.婚姻をしていない、かつ、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある
- 2.婚姻をしていない、かつ、20歳未満で障害等級1級、2級に該当する障害の状態である
死亡当時に障害等級1級、2級の障害状態でなくても、、18歳に達する日以後の最初の3月31日から20歳に達する日までに該当すれば、遺族の要件を満たします。
ここでいう「子」とは、実子または養子でなければなりません。例えば、内妻の子で夫の子でない場合、妻の連れ子で養子縁組をしていない場合などは「子」には該当しません。
- 配偶者の要件
- 遺族基礎年金を受給できる「子」と生計をおなじくすること
つまり、「子」のない配偶者や「子」と生活していない配偶者は遺族基礎年金を受給できないということです。遺族基礎年金を受給できない妻については、寡婦年金を、または遺族基礎年金を受給できない配偶者については、死亡一時金のページをご覧ください。
婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係にある配偶者は、遺族基礎年金を受けることができる遺族に含まれます。