保険料
厚生年金の保険料は報酬比例制といって、報酬月額から導かれた標準報酬月額に保険料率を乗じたものがその人の保険料となります。つまり、報酬を多く受けている人は保険料も高く、少ない人は安い保険料となるわけです。当然報酬比例は保険料だけではなく、年金額にも反映されます。
ここでは、厚生年金保険料を少し掘り下げて紹介します。
保険料率
厚生年金保険の保険料には、国民年金への拠出金が含まれています。厚生年金に加入するということは、国民年金に加入し、さらに厚生年金に加入することですから、本来なら国民年金、厚生年金両方に保険料を納めなければなりません。
しかしながら、厚生年金保険の保険料納付は事業主の責務ですから、その納付に国民年金の保険料を上乗せして行った方が事務手続きも一本化できますし、なにより取りっぱぐれがありません。その基礎年金への拠出金は次のような考え方で算出されています。
基礎年金の財政方式は、基本的に単年度収支を考えますから、毎年の基礎年金の給付に必要な費用を第1号被保険者については「保険料納付者数」、第2号被保険者については「20歳以上60歳未満の被保険者数」、第3号被保険者については「全被保険者数」に応じて、公平に人頭割したものです。
平成16年法改正により、国民年金と同様に将来の保険料水準を固定して、その範囲で給付をしていこうとする保険料水準固定方式が厚生年金にも導入されました。
これに伴って、保険料率を平成29年まで段階的に引き上げ、平成29年以降は固定することが決定しています。
期間 | 保険料率 |
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平成25年9月から平成26年8月までの月分 | 1000分の171.20 |
平成26年9月から平成27年8月までの月分 | 1000分の174.74 |
平成27年9月から平成28年8月までの月分 | 1000分の178.28 |
平成28年9月から平成29年8月までの月分 | 1000分の181.82 |
平成29年9月以後の月分 | 1000分の183.00 |
厚生年金では一般男子を第1種、一般女子を第2種、坑内員・船員を第3種と呼称します。そのなかで、第1種、第2種被保険者の保険料率が上表の数字で、第3種被保険者は現行それらより高い保険料率となっています。しかし、第3種被保険者も段階的に保険料率を上げ、平成29年9月以降は他の種別の保険料率と同じ1,000分の183.00となります。
保険料の負担と納付
被保険者とその被保険者を使用する事業主は、それぞれ保険料の半額を負担します。つまり、みなさんの給料から天引きされている厚生年金保険の保険料は、本来額の半額に当たるわけです。
ただし、船員任意継続被保険者および適用事業所に使用される高齢任意加入者(70歳以上で保険料の半額負担、納付義務について事業主が同意しなかった場合)は、全額を本人が納付します。
育児休業等の期間中は保険料免除
被保険者が育児・介護休業法に規定する育児休業等をする場合、事業主が社会保険庁長官に申し出れば、育児休業等を開始した日の属する月から、その育児休業等が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間、保険料は徴収されません。
さらに、この規定によって免除されている期間は、給付額の計算上は保険料を納付した期間とされます。納付したとされる保険料の計算のもとになる標準報酬月額は、休業開始直前の標準報酬月額を用います。