遺族厚生年金の年金額、加算額

遺族厚生年金は遺族基礎年金に上乗せして支給される場合と、厚生年金だけ支給される場合があります。また、原則として、遺族基礎年金の加算は子に対して行われますが、厚生年金では一定要件を満たした妻に加算が行われ、子に対する加算はありません。

年金額

短期要件の遺族厚生年金額

短期要件に該当する人の年金額

基本的に老齢厚生年金の年金額計算式を用います。違う点は、支給率の生年月日による読み替えがないことと、被保険者期間の月数が300月未満の場合は300月で計算する、この2点です。

なお、被保険者期間の月数が300月未満のケースは、実月数で平成15年3月までと平成15年4月以降の計算をして合計額を算出し、それに300を全被保険者期間の月数で割った率をかけてください。

長期要件の遺族厚生年金額

長期要件に該当する人の年金額

老齢厚生年金と同じ計算式を用います。支給率も生年月日による読み替えがありますし、被保険者期間の月数は実月数を使用します。長期要件に該当する人は、老齢厚生年金の受給権者か受給資格を満たしている人ですから、被保険者期間は25年(300月)以上あります。したがって、最低保障の300月は適用しなくても良いわけです。

老齢厚生年金の受給権を有する65歳以上の配偶者に対する年金額

実際の遺族厚生年金額

従来は、老齢厚生年金を受給できる65歳以上の配偶者については、自身の老齢(障害)基礎年金と遺族厚生年金の組み合わせと、自身の老齢(障害)基礎年金と自身の老齢厚生年金の2分の1と遺族厚生年金の3分の2の組み合わせ、それに自身の老齢厚生年金のどれかを選択できました。

しかし、実際の年金額は配偶者自身の老齢厚生年金を全額支給し、遺族厚生年金額のほうが多ければその差額を加算して支給しています。

支給される年金額は同じですが、遺族厚生年金は非課税、老齢厚生年金は課税対象となっているので、老齢厚生年金を優先的に支給させるわけです。

遺族厚生年金の加算額

遺族厚生年金の加算は妻に対して行われますが、2つのパターンがあります。

中高齢の寡婦加算

夫の死亡当時、子のない妻には遺族基礎年金は支給されず、また、子がいても支給要件に該当しなくなると遺族基礎年金は支給されません。そこで、年金額の低下を防ぐために中高齢の寡婦に対して設けられたのがこの制度です。

支給対象の寡婦と加算期間
短期要件に該当する夫が死亡した場合:厚生年金保険の被保険者期間月数にかかわらず加算されます。
長期要件に該当する夫が死亡した場合:厚生年金保険の被保険者期間月数が240月以上である場合に加算されます。
中高齢の寡婦加算

Aは子がいない場合の中高齢寡婦加算です。妻が40歳以上65歳未満で夫が死亡して遺族厚生年金を受給できるとき、遺族厚生年金額に中高齢の寡婦加算額が65歳に達するまでの間加算されます。

Bは子がいる場合で、夫の死亡で遺族基礎年金と遺族厚生年金が支給されますが、子が死亡したり、年齢要件で失権すると遺族基礎年金は支給されなくなりますが、それに代わって中高齢寡婦加算が65歳に達するまでの間加算されます。

中高齢寡婦加算の額は遺族基礎年金額の4分3を加算します。

経過的寡婦加算

昭和31年4月1日以前に生まれた妻は、昭和61年4月1日以後全期間国民年金に加入したとしても、それより前の期間は任意加入であったため老齢基礎年金の額が中高齢の寡婦加算額より低くなることがあるので、妻の生年月日に応じた額の加算が行われます。

経過的寡婦加算が行われるのは次の死亡した夫の要件によります。

  • 短期要件に該当する夫が死亡した場合:厚生年金の被保険者期間月数にかかわらず加算されます。
  • 長期要件に該当する夫が死亡した場合:厚生年金の被保険者期間月数が240月以上である場合に加算されます。
経過的寡婦加算

Aは原則のパターンです。65歳までの間に中高齢寡婦加算が行われ、65歳になって妻自身の老齢基礎年金が支給されるとき経過的寡婦加算が始まります。

Bは妻が65歳以後夫が死亡し、中高齢寡婦加算の支給要件を満たしているとき(しかし、実際は65歳以上なので中高齢寡婦加算は行われません)、遺族厚生年金に加算されて経過的加算額が加算されます。

経過的寡婦加算を受けることができる妻が、障害基礎年金若しくは旧国民年金法による障害年金の受給権を有するとき(全額支給停止されている場合を除く)または、遺族基礎年金の支給を受けることができるときは、その間、経過的寡婦加算は支給停止されます。

経過的寡婦加算の額

経過的寡婦加算額=満額の老齢基礎年金額×3/4-満額の老齢基礎年金額×率

老齢基礎年金額に乗ずる率は下表の通りです。当然老齢基礎年金は毎年度改定されますから、経過的寡婦加算額も変化します。

生年月日乗率
昭和2年4月1日以前に生まれた者0
昭和2年4月2日から昭和3年4月1日までの間に生まれた者312分の12
昭和3年4月2日から昭和4年4月1日までの間に生まれた者324分の24
昭和4年4月2日から昭和5年4月1日までの間に生まれた者336分の36
昭和5年4月2日から昭和6年4月1日までの間に生まれた者348分の48
昭和6年4月2日から昭和7年4月1日までの間に生まれた者360分の60
昭和7年4月2日から昭和8年4月1日までの間に生まれた者372分の72
昭和8年4月2日から昭和9年4月1日までの間に生まれた者384分の84
昭和9年4月2日から昭和10年4月1日までの間に生まれた者396分の96
昭和10年4月2日から昭和11年4月1日までの間に生まれた者408分の108
昭和11年4月2日から昭和12年4月1日までの間に生まれた者420分の120
昭和12年4月2日から昭和13年4月1日までの間に生まれた者432分の132
昭和13年4月2日から昭和14年4月1日までの間に生まれた者444分の144
昭和14年4月2日から昭和15年4月1日までの間に生まれた者456分の156
昭和15年4月2日から昭和16年4月1日までの間に生まれた者468分の168
昭和16年4月2日から昭和17年4月1日までの間に生まれた者480分の180
昭和17年4月2日から昭和18年4月1日までの間に生まれた者480分の192
昭和18年4月2日から昭和19年4月1日までの間に生まれた者480分の204
昭和19年4月2日から昭和20年4月1日までの間に生まれた者480分の216
昭和20年4月2日から昭和21年4月1日までの間に生まれた者480分の228
昭和21年4月2日から昭和22年4月1日までの間に生まれた者480分の240
昭和22年4月2日から昭和23年4月1日までの間に生まれた者480分の252
昭和23年4月2日から昭和24年4月1日までの間に生まれた者480分の264
昭和24年4月2日から昭和25年4月1日までの間に生まれた者480分の276
昭和25年4月2日から昭和26年4月1日までの間に生まれた者480分の288
昭和26年4月2日から昭和27年4月1日までの間に生まれた者480分の300
昭和27年4月2日から昭和28年4月1日までの間に生まれた者480分の312
昭和28年4月2日から昭和29年4月1日までの間に生まれた者480分の324
昭和29年4月2日から昭和30年4月1日までの間に生まれた者480分の336
昭和30年4月2日から昭和31年4月1日までの間に生まれた者480分の348
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