厚生年金保険加入漏れ350万人
平成25年3月末時点の集計で、厚生年金保険に加入できる資格を持つのに、事業主の怠慢で(或いは故意に)加入できていない労働者が350万人から400万人いることが分かりました。事業所でいえば、約39万件にも上るそうで、単に事業主が手続を怠って未加入となっているとは思えない数字です。
この事態は以前から指摘されていて、悪質なのは、従業員の給与から厚生年金保険料を控除して、いかにも加入しているかのように思わせ、保険料を全く納付していないことがあるのです。事業主が従業員に偽って、厚生年金保険の適用事業でないので国民年金に入るよう指示するのはまだいい方で、前述のようなことを事業主がやると、厚生年金保険には未加入、国民年金の保険料未納という最悪の事態になります。
未加入で一番多いと考えられるのは、フルタイムかそれに近い勤務時間(フルタイムのおおよそ4分の3以上の勤務時間)で働くパートタイマーです。厚生年金保険は正社員じゃないと加入できないなどの誤った考えで加入させてない事業主や、給与が減るのを嫌ってパートタイマーと合意して、故意に加入させていないなどが考えられます。
厚生年金保険への加入条件を緩和する法律ができ、平成28年10月1日から1週間の労働時間が20時間以上で1年以上そこで働く見込みがある人も加入しなければならなくなります。なお、加入資格があるのに加入させなかった場合には、6月以下の懲役または50万円以下の罰金が事業主に処せられます。
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